ダウン症候群という体質をお持ちの方は、その発育状態や発達に特徴があり、さまざまな合併症を持っています。その体質を知り、上手につきあっていくことには、多少コツが要ります。ダウン症候群の大部分は、受精卵の段階で偶然21番染色体が一つ余分になって生まれてきたタイプですが、症状には大きな個人差があるのも事実です。
ダウン症候群のある方の寿命は、現在60歳以上になっており、この50年で50歳延びたといわれます。できるだけ健康で、充実した人生を過ごせるように、できることは何でもやっていきましょう。親御さんは、お子さんが生まれてきてくれて有難うと思い、お子さんも、親御さんに産んでくれて有難うと思えるように、最大限お手伝いさせていただければと思います。
乳幼児期は、心臓などの合併症のために手術が続くとか、筋緊張も弱く運動発達がゆっくりだと心配されることと思います。また、離乳食の進みが遅く小柄だと、なおさら不安になると思いますが、やれることをやりながら、ご成長をゆっくり待ってあげてください。お子様にとりましては、ご家族の温かい笑顔が一番の栄養です。一段落するとぐんぐん大きくなっていきます。歩くのも、しゃべるのも、歯の生えるのもゆっくりですが、焦らずにお待ちください。できないことを心配するのでなく、できるようになったことをほめ、自信をもってお子様に笑顔を届けてください。
運動、言語、摂食などの療育もどのように取り入れていくか、アドバイスさせていただきます。
生まれた直後にわかる合併症だけでなく、その後年齢に応じて、適切な健康管理を続けていくことがとても大切です。特別な合併症がないとされている場合でも、ダウン症候群のある方は、定期的に、総合的な健康チェックやアドバイスを受けることを強くお勧めします。
体質がわかっているわけですので、一病息災といいますか、合併症の早期発見、早期治療が有効です。特段専門病院を受診する必要がない方でも、小学校に上がるまでは少なくとも半年に1回、就学以降は1年に1回程度は血液や尿のチェックを、また必要時さらに詳しい検査をアドバイスいたします。眼科や耳鼻科も、時々受診しましょう。新生児聴覚スクリーニングで問題なしとされていても、滲出性中耳炎の頻度は高く、鼓膜の動きが悪くなっていることがあります。
学童期は、あまり受診の必要を感じないほど元気に過ごせている方も多いのですが、定期的な受診で、一般的な医療行為にも慣れておくのは大切で、成人後の健康管理にも大きく影響します。成人後も1年に1回はチェックを受けましょう。就労後の施設での健康診断だけでは不十分です。
人生は、例えるならマラソンです。ご家族だけでなく、私たちも伴走者と自覚しています。明るい、楽しい気持ちで走れるように、周囲の者も前向きな気持ちを持つように心がけましょう。
人生には、誰でもいろいろな事がおきます。ご本人もご家族も同様です。そんな時も、決して一人ではありません。応援している人が沢山いることを忘れないでください。そして、周囲の人間や制度に、上手に頼ってください。一人で頑張り過ぎないように!
ありとあらゆるご相談に応じます。クリニックで対応が難しいときは、適切な機関をご紹介します。こんなことを聞いても良いだろうかと、心配されませんように。
適宜文書作成も致します。いつでもご相談ください。